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雫と欠片ブログ
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なんか今日、病院に行ったら。
咳の薬を今までくれてなかったらしい…ええ!
あたし「タンと鼻と咳」って言ったのに!!
どうやらタンによる咳だと思ってたんだってー…。
ふつうに薬もらってたらもう治ってただろうに><

短いけどssのつづきです。
神様の戯3






朝が来て、まぶしさに目が覚める。
日が沈み、昇る。
本当に、この世界は外と同じように作られているのだと思った。

ふと視線を感じて顔を上げると、すでに起きていたらしい兄貴と目があった。

「ん、だよ」
「おはよ」

おはよう、だなんて朝の挨拶。
兄貴が出てからすっかりなくなっていた習慣である。
びっくりして、少し動揺したので間が開いてから挨拶を返すと兄貴はにっこりと笑う。
そしてつないでいる手をぎゅっと握った。

「お腹すかない?」
「わかんね…兄貴は?」
「わかんないけど、食べておこう」

昨日夕食を食べてから、正直腹の具合がよくわからない。
食べても食べなくても平気だろう、と思えた。
が、兄貴がそういうのだからと俺は起きあがって寝間着のままキッチンへ行こうとして、手がつながれたままだと言うことに気づき、兄貴の顔を見る。

「なに?」
「手…」
「いや?」

兄貴は手を離したくないみたいだった。
だから、ぎゅっと握り替えして首を振る。
兄貴も、不安なのかも知れないと思った。

「じゃあ、行こう」

手を引かれて、歩き出す。
昔、遙か昔、俺がまだ墨村家しか世界を持っていなかった時。
こうやって手をつないでくれたのは父さんでも母さんでもなく、兄貴だった。
責任感の強い兄貴はずっと俺の相手をしてくれていた。
だから、俺は兄貴が大好きだった。
左手の意味を知るまでは。
いや、修行を始めるまでは。
違う。
嫌いになった訳じゃない。
むしろ、ずっとそうしていたかった。
けれど、兄貴と俺を隔てるものがその右手の印だとなんとなく理解し始めて。
ふれられなくなったのは俺だった。
それに気づいてふれなくなったのは兄貴だった。
思えば、俺が気にしなければ少しは長く、兄貴と手をつないで歩いていたのではないだろうか。

だけれど、今。
無印の兄貴の右手と、まだくっきり四角い枠が描かれた俺の右手はつながっていた。
離れがたいというように、指と指を絡めてしっかりと。
それだけでいいかもしれない、と俺は思った。

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