久しぶりに書いて見ました。
がんばりました、朝も早いのでもう寝ますがとりあえず正良です。
正良っぽくないけど正良です。
もう仲がいい兄弟だけな正良ですが、正良なんです(意味不明)。
あとはあとがき(?)に言い訳を書きます。
がんばりました、朝も早いのでもう寝ますがとりあえず正良です。
正良っぽくないけど正良です。
もう仲がいい兄弟だけな正良ですが、正良なんです(意味不明)。
あとはあとがき(?)に言い訳を書きます。
『あんたは、修史さんに似てほんとうに良かったわ』
ある日突然、俺は母親にそう言われた。
俺の外見はどちらかといえば母に似ていたが、母が言うのは性格のことだろうと思った。
『でも、あんたはあんたの人生を選びなさい。あんたのしたいことを』
14になった頃の俺は、俺の半分しか生きてない弟のことで頭がいっぱいだった。良い意味でも、悪い意味でも。
それをきっと母は見抜いていた。
『良守は大丈夫、あの子も修史さんに似てるもの』
だけど、母はきっとわかってなかった。良守は母に似てると。
Nobody cries anymore
弟と会うためにわざわざ実家以外を指定されることは、まずないのだけども。
家ではできない話なんだろう、良守は家から少し離れた町を指定し、適当なカフェに入った。
予測はついてた。
父さんからも電話で聞いていたし。
「母さんに会ったの?」
良守は好物なはずのケーキに手を付けず下を向いていた。
「会ってない」
「そう」
「式神だけ」
「そっか」
それでも母に最後に会ったのは良守になる。
きっとその事実が良守の心に影を落としてる要因の一つ。
コーヒーを飲んで、目の前のパフェを食べてから良守に、食べれば?と勧めるが良守は首を横に振る。
責められるとでも思ってるのかな。
家では落ち込んだ様子を見せつつも、家族にはそう見せないようなそぶりにしているらしいが。
「お前はさ」
「うん」
「母さんによく似てる」
「え?」
力があるばかりで、人として何かがが欠けてたと母は自覚していた。そしてそんな自分に似てない子供たちに安心してた。
だけれども、良守は母に似ている。
力があるばかりに、自分で全て背負い、自分の所為にする。
「大まかな話は聞いてるんだけどさ、お前あそこに残ろうとしたんだって?」
「だって…母さんがいなくなるより」
「じゃあ、お前がいなくなって、母さんが後悔しないとでも?自分の代わりにお前を置き去りにして」
「だって!」
「母さんの判断は正しいんだよ。ただ、それがどれだけ周りが悲しむか分からなかっただけで」
十年かけた計画だったという。
俺が14のあのときにはもう、母は決めていたのだろうか。
だけどそれが「犠牲」とは思っていないだろう。
己ができることをしただけのつもりなんだ。
多分、この目の前の弟も母と同じ立場だったらそうしただろう。
それに俺にもしそんな力があればそうしただろう。
ただ、きっとその理由は二人とは違うかもしれない。
良い意味でも悪い意味でも、良守が産まれてから、俺の中心は良守だった。
甘ったれで、でも自分のことを大事にしないくせに、意志強固で。
俺が助けてやるスキなんて年々なくなって、それでも心配で。
結局俺は烏森から良守を奪い返すなんて所業はできなかったが、いつか烏森をなくすことが俺の目標だったのだから。
「誰もお前を責めてないし、誰も悪くない。だけど、お前はきっとそう思わない」
「人のためになることをしたかった」という母は、きっと人の心が分からないことで傷ついていたんだろうと父さんは言う。
そして母は自分と同じように「わからないこと」で俺や良守が傷つくのを恐れていた。
母は母なりに考えてのことだったのだ。
「お前はさ、母さんの出来なかったことをしろよ」
「母さんが?」
「自分を大事にしてさ、自分がどれだけ周りの人間にとって大事な存在か自覚しろよ。それが母さんの望む事だ」
ポカン、と間抜けな顔をしている良守の皿からケーキを、パフェのスプーンで一掬いし、口元に運んでやる。
躊躇いつつも、良守はそれを口にした。
まるで、良守がほんとうに小さな頃、雛のように俺の手からお菓子を食べていた頃のように。
「……美味い」
「もう二度とここには来ないからたっぷり味わっておけよ」
そういうと、急に良守は回りを見回した。
周りの客は誰も見ていなかったが、男同士で食べさせ合うような行為が恥ずかしいのだろう。
慌てて良守は居心地が悪そうに自分でケーキを食べだした。
「…兄貴の言ってること、ちょっとわかんねぇ」
「わかりやすく言ってんのに。馬鹿だねお前は」
「バカ言うな!…そうじゃなくて、周りの人間って誰だ?」
「…やっぱり馬鹿だろ」
呆れたように言うと、良守はフォークを銜えたままふてくされた。
まあ、いいよ。
周りの人間の一人が俺だなんて今理解されても照れるだけだし。
兄貴なんて報われないのが常なんだし。
『良守は母さんに似てるよ』
そういうと母は少し驚いた顔をした。
『だから心配なんだ。母さんも良守もきっと無茶するだろ。俺は良守の仕事も母さんの仕事も手伝えないから心配だ。二人共強いから、俺は何も出来ない』
下を向いてそんな弱音を吐いた俺の頭をなでた母は、綺麗に笑っていた。
いつもどおりに。
『そうね、じゃあ少しだけ見守って上げて。あの子が母さんのようにならないように』
綺麗な笑顔と裏腹に、その声はとても悲しくて。
頷くしかなかったけど。
「それ食べたら、ケーキバイキングに行こうか。近くでやってたの見たんだけど」
「マジで?」
少しは気分が上がったらしい良守が喜ぶ。
大丈夫、母さん。
母さんは人の心が分からないと嘆いたかもしれないけど、こいつは単純だから、そんなことで悩まないだろう。
もう会えないことに悲しみを感じないわけじゃないが、母さんが心配していたこいつが元気に笑うなら、それが一番いい結果なんだろう。
だから、大丈夫。
もう、きっと誰も泣かないよ。
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守美子さんから正守への言葉ってずっと考えてたんです。
守美子さんは全部わかってそうだなと思ってたんですが、読み返したらやっぱりあんまりわかってなさそう。人の心は。
だから子供を持って心配になったんです。きっと。
自分がわからない世界で、子供たちが苦しむなら、その要因を一つでも消したかったんです。きっと。自分が分かる範囲で。という解釈のもと。
ちなみに、正→良ですが、あんまり今回は全面にだしてません。
兄貴は永遠の片思いになりそうですねーこの場合。
よっしも鈍感だし。
いつか気づいてもらえるといいね!
まあ、兄貴も無茶するよねー、やっぱり守美子さんにも似てるんですよね、ちょっとだけ。
ああもっと語りたいんですが、時間切れです…。
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